日本人の美徳

多分見た方も多いとおもいますが、先日NHKで「京都 千家十職密着記録 世界に響く神髄」という番組がやっていました。
この中でとても素敵な一節があったので書きたい思います。

それは戦国時代、日本に来日したポルトガル人の宣教師 ジョアン・ロドリゲス神父が日本の茶の湯について書いた本の中で、茶道具についての一節です。

 

「取るに足りない陶土でできているにも関わらず、一万〜三万クルザード、更にそれ以上の価格になるものもある。
他の民族がこの事を聞けば、狂気で野蛮なことと思うであろう。
日本人はあらゆる人工的なもの、華麗なもの、見せかけ、偽善、装飾を大いに嫌う。
彼らの言葉で「軽薄」という。
万事に渡って節度を保ち、自己の技量や力量を誇示することなく、有り余るよりもむしろ足りない方を望む。」

 

この日本人特有の気質や美徳、そして美に対する意識、本当に美しいと感じました。
こう言った日本人独特の感性は昔から言われてはきましたが、戦国時代に日本人と接した外国人が感じた事実を聞くのは本当に感動します。

作庭植浩のマークでもあるツバキ侘助は、もともとそんな言葉をイメージして作ってもらいました。
侘助の花言葉は「控えめ」や「静かな趣」、そしてツバキ全体では「控えめな優美さ」。
私も作庭やものづくり、剪定においても、この精神を大切にしていきたいと改めて感じました。