オオカミを絶滅に追い込んだ末に起きたこと

今朝のラジオでとても興味深い話を聞きました。

1872年、世界で初めて国立公園に指定されたアメリカのイエローストーン国立公園。
公園といっても四国の半分ほどの大きさがあり、様々な野生動物が生息しています。
1900年初頭、公園関係者はオオカミが草食動物を減少させていると考えオオカミの駆除を開始。
1926年に最後のオオカミが駆除されて絶滅してしまったらしいです。

その後何が起こったか?
天敵のオオカミがいなくなった事で増えすぎた草食動物によって、草地は食べ尽くされ、木は皮を食べられ枯れていき、多くの草食動物が食料不足に陥り、森が壊れていったそうです。
食物連鎖が崩れたことで、生態系がおかしくなってしまったんですね。

この危機に直面した公園当局は、オオカミがイエローストーンの自然生態系にとっていかに重要な役割をになっていたかを思い知らされたそうです。

そして1995年、カナダから14頭のオオカミが輸入され、イエローストーンの野に放ちました。

その後、オオカミに捕食される事で鹿などの草食動物の個体数が元に戻り、荒地のポプラやヤナギなども元に戻り鳥が戻り、コヨーテも数を減らし、コヨーテに捕食されていたノネズミやノウサギの数が戻り、それを捕食していたキツネやアナグマ、イタチやタカなどの個体数も元に戻り、更にポプラの皮を食べるビーバーも大幅に数を増やし、ビーバーが木を切り倒して作るダムのおかげで、カワウソ、水鳥、両生類、魚などもその数を増やしていったそうです。

これは人間が70年かけて試行錯誤して来た生態系の安定化を、たった14頭のオオカミが成し遂げたという事らしいです。

本当に全ての生き物は関係し、そこには絶滅してしまっても構わない生き物なんかいない、という事を改めて教えられた気がします。

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