みなさま、改めておめでとうございます。
新年もスタートして6日が経ちますね、みなさんはお正月、如何お過ごしでしょうか?
植浩は、年末は大晦日まで仕事をしていたので年始は毎年ゆっくりと、いつもだいたい10日頃からのスタートです。
ま、実際は松の内が明ける八日に門松を回収するので、現場仕事はありませんがそれが実質的なスタートになりますね。
年末、と言っても10月くらいから植木屋は冬本番の忙しさに入り、12月に入ると、お手入れ意以外に各所霜よけの準備や門松製作が加り、更に忙しさに拍車が掛かります。
夕方自宅に戻ってから夜遅くまで庭でこつこつとワラボッチや門松を作るのですが、今年は雨が多かったり寒かったりで、本当に天候に左右される年末でした。
でもなんとか無事に新年を迎えることができ、改めてほっとのんびりしているところです。
そんな事を思い出しながら、今年も更に忙しく、そしてより難しく、やりがいのあるお仕事にめぐり合える事を望んでおります。
よく親方に言われました。
「お前がこれ以上は無い、と思える仕事をしろ!お前が違和感を感じたら他人が見ても違和感を感じるからな!」と。
職人として難しく手間が掛かり緊張感のある仕事、これほどの喜びはありありません。
手間と努力を惜しまず、より成長できる一年になるよう精進していきたいと思っています。
では、昨年末更新できなかった事を少し載せて行きたいと思います。
まずは年末に行った「四つ目垣」製作。
四つ目垣は竹を格子状に組んだもっともシンプルな垣根です。
しかしそれだけに竹の曲がりをどう使うか?直線の美しさはどうか?節の切り方、更には結束の美しさなど、より細かい仕上がりの制度を問われる難しさがあります。
今回はお客様の家の裏に、隣接するアパートとの境界としての垣根です。
下地はコンクリート、それをハツッて(コンクリートを崩すことをハツリといいます)支柱を立て、四つ目絡げ、切り付け止めはせず、全面十字の結束にて製作しました。
作業前の状態
ハツッて支柱を立てる穴を開けます
支柱を立てた状態
竹を綺麗に水洗いします
本来は籾殻で洗うと良いのですが、真鍮ブラシで軽く繊維に沿って洗います。
出来上がり
竹というのは節ごとに、枝の生える方に互い違いに曲がっていきます。
なので真っ直ぐ見せるには正面に枝の部分が来るように使います。
竹を割る時もこれを間違えないようにしなければなりません。
しかし、今回のように正面からは見ることが出来ず、どちらかと言うと上方向から見る場合はそれをやや正面として、メインで見る方向に真っ直ぐ見えるように竹を使います。
これをセオリー通りに作ってしまうとクネクネと曲がった垣根が出来上がってしまうので注意が必要です。
現場環境に合わせた柔軟な視点が必要になってきますね。
それから四つ目垣は本来、胴縁の一部を十字結束だけでなく、「四つ目絡げ」といって棕櫚縄を一本通しで割を入れながら結んでいくのですが、今回はお客様のお好みでこのような仕上げになりました。
合間でお掃除や軽いお手入れ、霜除けなども施しました
今回、作業の合間にお庭の簡単なお手入れと清掃を含め、二人で二日間と一人で半日を要しました。
ではまた年末シリーズを書いてみたいと思います!