三和土(たたき)

今日はお彼岸の入り。
お寺さんではお庭のお手入れで大忙しでしたが、なんとか無事に終えることが出来ました。
そして半年ほど前にタタキで作った灯篭の台座の写真を撮ったので載せたいと思います。
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この灯篭は震災の時に崩れてしまい、しばらくそのままでしたが、今年の春に組み直すことになりました。
石灯籠の一般的な造りは本来上から、宝珠、笠、火袋、中台、竿、基礎、基壇となります。
このつくり以外のもとしてはよく知られるところだと、雪見灯篭や生込型の織部灯篭などがありますね。
しかし今回の灯篭はもともと基壇が無く、基礎が土の中にいけ込んである形になっていました。
そこで、三和土(たたき)で基壇を作ろう、という事になりました。
三和土とは土、石灰、苦汁を混ぜまぜたもので、昔の建物では軒内や屋内の土間によく使われています。
100パーセント天然の成分で、一度固まってしまえばセメントのようにガチガチに固まりますが、元は土なので調湿効果があり、日本の風土にとてもよく合います。
しかも苦汁を含んだものは塩分があるので、雑草もあまり生えません!
見た目にも環境にも優しく、もっと昔の三和土を使った住宅が増えていいのにな、といつも思ってます。
使う土は土地のものでよいと思いますが、今回は真砂土(まさつち、まさど)を使いました。
施工は、まず三和土を作る前の床作りから。
灯篭の高さに合わせて根切りしたら割栗といって石を小割りにしたものを縦に隙間無く叩き込み、上から平らになるようによく叩きしめます。
今は割栗など使わず砕石を敷いて叩き込むことがほとんどですが、ここは手間が掛かりますが昔からの工法にこだわりました。
その後はベニヤで型枠を作り、混ぜ合わせた三和土の材料を水分を取りながらよく叩きしめて完成。
しばらくは雨養生をしていたけど、今は完全に固まってガチガチになりました。
と、半年ほど前に作業をし、その間もちらちらは見ましたが、最近コケがのってきたりポロポロと自然と肌が洗われて少しずつ趣が出てきました!
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土との境目が良い感じです!個人的にこういうのたまりません!!
これからどんどん庭に馴染んで育っていくのが楽しみです!
最後に昨日の彼岸花、少し花が咲きました!
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