庭園協会のパネルディスカッション

今日はひどい雨ですね。
本当は仕事だったのですが、この雨で待機、昼の時点で中止になってしまいました。
ま、もう大晦日まで休みの無いことは確実なので、この時期の雨や台風は体休めの時間にはなりますが、でも結局はどこかでこの穴埋めをしないといけないので、大歓迎!とは行かない複雑な休暇でもあります。
先週の日曜日、日本庭園協会の講演会に行ってきました。
今回は「これからの庭を楽しむ」という課題に対してのパネルディスカッションで、日比谷公園内の建物で行われました。
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参加されたパネラーの先生方は、
実業家 株式会社黒茶屋代表 高水謙二氏、
建築家 中山章建築研究室代表 中山章氏、
環境デザイナー エービーデザイン代表 正樹覚氏、
ランドスケープアーキテクチャー 明星大学造形芸術学科教授 榊原八朗氏、
作庭家 金綱重治造園事務所代表 金綱重治氏
の五名でした。
今回はパネルディスカッションということで5人のパネラーの方々の対談だったのですが、興味深かったのは造園家は一人だけで、他の方は僕らではいわゆる施主様に当たる実業家の方や建築家の方が混じっていること。
特に建築家の側からの庭や緑に対する考えと、他の方々の緑に対する考え方がまるで正反対、真っ向からぶつかってなかなか熱い対談でした(笑)。
今回の内容で特にうなずけたのは、日本人の美意識や景観に関する話でした。
それぞれの立場からの発言にはっとさせられることも多く、なかなか勉強になりました。
日本人は西洋や他のアジアの国々とは違った独特の自然観があり、自然に添うようにして生活してきました。。
お寺や大名庭園に見られるような大きな庭は宗教的な意味合いが強くまた別ですが、本来庭は自然の森に囲いをして「ここが庭です!」と、自然をそのまま取り込むものではなく、その自然を借景として、繋がりを持たせながら人々の暮らしに合うように再編成するもの。
この借景や背景、景観との繋がりが大切で、庭だけではなく、建物や門、塀に至るまで、周囲とのバランスや景観を意識していく事がとても大切ですね。
ヨーロッパなどは都市部でも歴史的な建造物が普通に今でも使われていて、新しいものと古いものとが混在し、景観がうまく調和して美しい街つくりになっていますよね。
でも日本の特に都市部においてはこの景観とか周囲とのバランスを無視した開発がどんどん行われています。
借景などはほぼ皆無(ビルがビルの借景にはなっていますが・・)、周囲の景観などまるで無視した統一性の無い建物、色も形もバラバラで好き勝手にデザインされた町並み。
歩いていると神社やお寺がビルの谷間に忽然とあらわれるような様には痛々しさえ感じてしまいます。
ここに古来からの日本の伝統や文化、また今回の対談でも話題になっていた日本人特有の自然観というものはほとんど感じられません。
ま、これもあくまで僕の主観ですが。
もっともっと都市計画の中に、ただ緑地面積何パーセントと言った決まりを守るためではなくて、遥か遠くにある山や自然にスーッとグラデーションしていくように緑を取り込んで行くような都市づくりが行われることを望んでいます。
それからこれは余談ですが、東京愛宕神社の辺りなんかは開発の為の土地の買い上げが進みゴーストタウン化していて、氏子もいなくなってしまった状態です。
寂しいことですね。
ほかでも道路拡張だったり色々な事情で同じような事があちらこちらで起こっています。
古い町並みは壊され新しく上へ伸びる建物が沢山建てられ、近い将来大きなテーマパークのようになんでもある町が出来上がるのだと思います。
そんな生活も便利かもしれませんが、もっともっと小さな単位で人々が繋がり、町や商店が活気付き、そういった地域性や特色を持った小さな町やコミュニティーの集合体で東京が活性化していく、そんな街づくりが行われていけばいいな、と僕は感じています。
日本中どこへ行っても同じ町並み、同じ味、同じ店・・になったら本当につまらないですからね。
もう失ってしまったものは取り戻せないけど、今残っているものはそのままであって欲しい、と思います。