垣根造り

この時期、季節商売である植木屋の仕事は通常のお手入れは一休み、落葉樹の剪定やモノ造り、そして庭造りなどが多くなります。
暑い時期は「植木屋さーん!」と呼ばれていますが、この時期は「庭師さん!」なんて呼ばれることも増える嬉しい季節でもあります。
ま、もっとも暑い夏ではなかなか作り物には集中できないのも事実。
竹も秋までは手に入りませんし、上手い具合にずれてくれてます。
植浩もやはり多分に漏れず、この時期は作り物や庭造りが集中します。
最近こんな垣根を造りました。
飲食店のエントランスにフェンスがあるので、それを一切傷めず垣根を作って欲しい、とのご依頼。
長さは6間(約10メートル)、手前50センチだけ道路から見えるようにフェンスを残し、あとは建仁寺風に仕上げます。
今回はご予算を考え、色抜けした山割りを安く仕入れて使用しました。
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こちらが作業前の状態。
こういったご依頼はよくあるので、植浩としては得意分野です。
まずは下地作り。
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裏側はこんな感じ。
このようにフェンスを挟み込むようにして、ビスなどは一切打たずに下地を組みます。
そして垣根の表に来る山割り竹をかき付ける為の胴縁(忍び、といいます)を竹で作りとり付け、笠竹用の胴縁を流したら下地は完成。
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そして出来上がりがこちら!
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押し縁と笠竹が真っ直ぐに伸びていますね。
これが垣根の美しさのポイントの一つです!
(マニアックに作り手的に言うと、他にも結わきや丸太との光り付け、笠竹の重なり具合など色々とありますが・・。)
押し縁、笠竹は竹を半分に割って使いますが、竹は一節ごとジグザグに曲がって成長するので、芽の90度反対側で割らないといけません。
正面から見る押し縁竹と、頭に乗る笠竹では割る方向が逆になるので、これを間違えないように割ります。
そして、均等の厚みになるように割る、これがなかなか難しく、腕の見せ所となります!
こうして出来上がった垣根の押し縁と笠竹が美しく真っ直ぐと出来上がったら、この仕事は大成功!
お客様にも大変喜んで頂きました。