茶庭製作も中盤に差し掛かりました。
全体の大まかな構成、飛び石の配置はできたので、次は構造物、役石の構成などに取りかかります。
今回、石は用賀の豊前屋さんで仕入れました。
ここは石の名門、私も昔はここで石を仕入れることは憧れでした。
今回使った水鉢
この渋い板石を見てください!薄っすらと紋のようなものが彫ってあります!
これは京都の古い小松石の敷石、もちろん購入です!!
縁先蹲の縁台もほぼ完成!
あとは各部材を固定するだけです。
色を付けるとこれだけ変わります!
そして次はいよいよ黒穂を使った穂垣の製作です。
柱を立て込みます。
材料となる黒穂を割付寸法に切って小さい束を作り、それを地面にごろごろと押し付けます。
黒穂垣のように、竹の幹以外を使った垣根は竹垣ではなく柴垣と呼ばれ、この手の垣根はとにかく材料の下段取りに手間がかかります。
アンコと呼ばれる元になる穂をかきつけました。まだ薄いですね。
そこへ細かく穂を補充していきます。
因みにこれは私。
穂を補充する際、穂を挟み込む為の竹を「忍び竹」といいます。
これは竹を細割にしたもので、押し縁をかける時には抜いてしまう仮のもの。
ざっと吹き上げた状態。
頭を切り揃えて、お客さんに確認してもらうために仮の押し縁を取り付けてみました。
別の角度から。
お茶室の雰囲気が格段に上がりましたね!
風格が増した気がします。お客様にも喜んでいただきました。
このあと、頭に厚みを持たせるため穂を補充し、柱を短くカット、押し縁を付けたら完成です。
そして外側にも、同じように穂垣を造ります。
こちらは雨で痛まないように小屋根を取り付けます。
同じように外側にも黒穂垣が吹き上がりました!
手前はお客様の意向で一段低くするかも知れません。
垣根が据えられ仕上がりの雰囲気が伝わったのか、お客様も安心した様子でした。
そしてメインのヤマモミジの搬入です!
この日は4人で作業、しかも一人は200キロを担いでスクワットできるというツワモノ!
しかしとても人力で運べる重さではありませんでした。
この木は山採りといって、山で掘ったもの。
畑育ちの木とは違い幹曲がりや癖があり、独特の味わいがあります。
私が取引させていただいている生産の植木屋さんには、こういった山採りの木が豊富に揃っていて、今回も時間が出来れば畑に木を見に行くということを繰り返し、かなり良いものが見つかりました。
でも山採りは信頼の置けるところで買わないと怖い木でもあります。
山で掘って一年は置かないと枯れる可能性があるからです。
ここの木は根もしっかりとしていて、その辺りの心配もありません!
では、今回はここまで。
次回はいよいよ仕上がりまで行きたいところ!