お茶室の竹格子

またまたすっかりご無沙汰してしまいましたが、今年はマメにブログを書いていこう!と想っています。
どうぞ今年も「作庭 植浩」を宜しくお願い致します!
ということで、今年一発目になってしまいましたが、今日は先日行ったお茶室の格子の交換を載せたいと思います。
作業前の状況がこれです。
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虫に食われてかなり痛んでいます。
これを新しく交換するわけですが、元の仕事は茶室を建てた時に宮大工さんが行ったもので、竹も上質なものを使っていたようです。
竹の節間が長く、しっかりとしています。
しかし、このような竹を手に入れるとなると京都辺りから銘竹として仕入れるしかなく、なかなか高価な材料となるので、今回は予算を抑えるために竹屋さんに普通に置いてある「晒し竹」を使うことになりました。
太さは8分というやつで、約24ミリになります。
先ずは墨出し。
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竹のような丸いものを加工するにはこの様な台を作って使用します。
クサビを上下とも二つずつ差し込み、固定をして使います。
晒竹はツルツルしていて墨をつけづらい上に、加工も青竹と違い硬くて想ったよりも大変な作業でした。
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そしてこの様に9本両側、2本片側の計20個の穴を加工しました。
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杉の桟を通すとこんな感じです。微妙に場所場所で太さが違うので苦労しました・・。
ついで真鍮釘を打ち込むための穴を開けますが、この様には同じ作業を繰り返す時は先ず定規を作ります。
聞いたことあるかもしれませんが、職人の間ではこの様な定規を「バカ」と呼んでいます。
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バカにもいろいろとあり、竹のような丸いものに使う定規は写真のような竹を割ったものを使うと正確に墨付けできて便利です。
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この様にかぶせて使います。
そして完成はこちら。
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初めにも書きましたが、材の扱いが思ったよりも難しく、なかなか大変な仕事でした!
しかも宮大工さんの後の仕事とは・・。