この前の記事で出てきた「チェーンブロック」。
滑車の原理で重量物などを軽く持ち上げることができる優れものです。
このチェーンブロックを支えている足の部分を「三又(さんまた)」と呼びます。
クレーンの入らないような庭や狭いところで石などの重量物を運んだり設置したりするのによく使います。
私はこのチェーンブロックを250キロ吊り、1トン吊り、3トン吊りの三種類持っています。
それから似たもので、チェンブロックのように上に持ち上げるのではなく、横に引っ張るチルホールというウインチみたいなもの、それから横や斜めに引いて荷物を固定したりもできるレバーブロックといのもも一つもています。
中でも250キロ吊りのチェーンブロックと500キロのレバーブロックはいつも車に常備しており、これは小さいので億劫にならず、地中に埋もれた丸太を引き抜いたり、伐採時にちょっと木を引っ張ったりと、ちょっとしたことでよく使っています。
そして今回はチェーンブロックの股を三本ではなく2本で行う「2又」という使い方をしたので書きたいと思います。
これは使っている人にはわかると思いますが意外と特殊な使い方で、どういうものかというと、3又は垂直方向へしか荷をあげることができないのに対して、2又はクレーンのように垂直方向へ上げ、それを更に前後へ移動させることができるものです。
3又の動き(絵が小さかったですね笑)
2又
こんな感じで荷を前後、上下に動かすことができるので、灯籠を組む時なんかに使ったりします。
でもこんな便利な二又ですが、最近はなんでもちょっと無理して三又でやってしまうことが多いと思います。
多分その理由にチェーンブロックの他に横方向に引っ張る道具が必要だということや、その横に引く機械を取り付けるための支持が都合良くないことなどが挙げられると思います。
今回の植栽工事では裏庭でユニックが入らない、植木自体も100キロは軽くオーバーしており、更にそれを低木を飛び越して植えなければならない、という事で、久しぶりに二又の出番となりました!
とは言え、手持ちで説明した250キロ吊りのチェーンブロックと500キロ吊りのレバーブロックという小さな組み合わせがあったからこそやる気になったもので、大型のブロックやチルホールしかなかったら、多分億劫で頑張って人力になったと思います笑。
これがその優れものの2つです!!
写真ではわかりにくいですが、吊りあげてまだ手前に引く前です。
そして手前に引いた後。
これはシステムのアップです。
これも先人知恵。
昔はクレーンもない時にこんな感じで木の滑車やカグラサンなどを駆使して、崖の下から木を引っ張り上げたりしたのでしょうね。
今は庭の中で使えるカニクレーンなんかもありますが、こうやってちょっとした道具で工夫することもまた仕事の楽しさにつながります!
庭の仕事での吊り上げの作業には意外とたくさんのロープワークが必要となります。
そういうロープワークを一つ一つ覚えていくのもまた、楽しいですね!