知りたいことがあると昔の指南書から片っ端から探すことがあります。
特に江戸時代の指南書、「築山庭造伝」にはかなり細かく色々な技法や庭の造り様、石の配置などが載っています。
江戸前期と、それを基にした中期に出たものと二種類あります。
昭和の著名な庭師などは、この築山庭造伝に対してかなり批判的らしく、特に重森三玲氏この書を手本にする庭師など甚だ困ったこと、と言っていたらしい。
でもこの指南書、僕はそんなに馬鹿にならないものだと思っています。
言葉は全て江戸時代のままで書いてありますが、よく読めばちゃんと理解できます。
絵も丁寧だし、基本を学ぼうとするなら一読すべし、と思っています。
まあ、重森三玲は作品を見ればわかるように立石をふんだんに使ったり幾何学的であったり、今までの庭には無かった斬新な方向へ重きを置いていた所もあるので、こういう江戸時代の古い指南書はナンセンスだと思っていたのでしょう。
明治から昭和にかけての名工、庭師たちは時代の移り変りの最中にいたのでやはりこぞって古臭いと感じたこともうなずけます。
でもそれを逆に取ると、みなさん、ちゃんとこれを読んで勉強したのだとも受け取れます。
僕も本は沢山買う方で、でもまだ読んでいないものも沢山あり、たまにはじっくりと家で勉強しなくては、と思います。
批判するにはまず読んでから。
「庭師は勉強などしてはいけない、感覚で作れなくなる」という言葉も耳にすることがありますが、勉強したって感覚が鈍るほど全てが頭に入るものではありません。
むしろ半分も入らないのでは?
だからそんな心配は無用で、基本が無くても出来てしまうヘタウマよりも、基本をしっかりと押さえた上でそれを崩すヘタウマの方に僕はなりたい。
だから机の上の勉強も頑張っていかなくては。
そしてその勉強を活かせる様な庭を造れるようになりたいですね。
こうして要点をざっくり書き出すことで大分頭に入りますね。